2020年07月04日
靴の履き心地は、底付け(つりこみ)で決まる。
ヒール、本底(地面に接する)、中底、靴型(木型、ラスト)、
カウンター(かかと補強芯)、製甲(アッパー)、先芯(爪先補強芯)
それぞれのパーツに何材を使うのか?
本底、中底、アッパーの貼り合せ方法は?
つりこみに機械を使うのか?
上記質問の回答によって、靴の値段は、何十倍にもなる。
当社の答えは、製甲は革・接着剤で貼り付け(セメンテッド式)
爪先つりこみ(トーラスター)・かかとつりこみ(ヒールラスター)を使うである。
西成は、浅草に次ぐ100年以上の歴史のある革靴の産地だ。
機械化と良質な接着剤の普及で、靴は履き捨ての工業製品となった。
ワニ(革を引っ張る道具)とバフは、革靴メーカーの最後の砦。
本底との貼り合わの為、革アッパーの本底接着部分を
砥石で削ることをバフという。
革は、接着剤を塗るだけではくっつかず、「削る」工程が必要。
革の矜持だ。
爪先、かかとを機械でつり、残り部分をワニの方向、角度、引っ張り加減でつり込む。
底付け段階で足入れ問題は、すべて解決しないと駄目だ。
難儀なものは、機械でつった部分を外して、再度ワニでつりなおす「二度つり」で対処する。
つりこみの補填として
履き口、かかとへの乗せ甲
熱風機のローラーでの小皺伸ばし、木型へのいつかせ
ミスの繰り返し防止、つりこんだ者を特定するカラーマグネット
当社の秘伝、隠し味だ。