社長のブログBlog

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私は、映画好きだ。
「ローマの休日」は、生涯ベスト10に入っている。

女性が髪をバッサリ切るとは?
失恋、気分転換、心機一転?と男心をくすぐる。

映画では、これから始まる王女様の1日活劇のプロローグと
なっている。





窮屈なパンプスと紐サンダル。

アン王女が、青空市場で恰幅のいい女性に低寸のヒモサンダルを薦められて足を通すワンショット。

この後、新聞記者ジョーと映画史上最高のデートと言われ、ローマ観光の定番となる1日を過ごす。

2人のキュートなラブロマンスをサンダルが、
見事に先語りしている。




お出かけのその後を占うそんな靴を作りたい。

婦人革靴を生業としている者にとって、
この映画は、「バイブル」だ。

パネルにして「えべっさんの福笹」の横に飾っている。

自分達も「靴」を一押しする「おばちゃん」には、なれる。


名作の中で主役の脇役として「髪」と「靴」が、2枚看板だ。
勝手に解釈して、にやにやしている。






革靴と履き物の違いとは?

目立った傷を直せるのか、諦めて買い替えるのかだ。

革は重層構造なので、「傷」(写真上)に
「クリーム」で対処できる。

合皮は、布地に合成樹脂を貼り合わせたもの。
傷(写真下)が、膜の破壊(破れる、ボロボロになる)
となり修理不可。

安い大量生産の履き物は、使い捨て・買い替えが大前提。




革靴メーカーにとって、スニーカーは脅威。

機能面では、太刀打ちできない。

ただ、スベリ材(かかと裏材)だけ、「ちょっと、言わせて!」

かかとは、一番負荷のかかる部分。
通気性重視のメッシュ等では、一定の使用頻度で破れてしまう。

当社は、靴を長持ちさせるランニング材(裏材)にこだわる。
各部分ごとに最適な裏材を使っている。

スベリ材は、すべて豚革だ。

豚革は、薄くて丈夫、通気・耐摩耗性に優れている。
現時点でのスベリの最適素材と判断している。

輸出の際、宗教上の理由による豚革使用禁止で
代替材を使うこともある。





当社の仕上げを一言でいえば、釘と足入れの確認だ。

靴の中には、ヒールを止める釘。
カウンター(かかと補強芯)を止めるタックス(小さな釘)がある。

ヒールが、確実に打たれているのか?
タックスの先が、立っていないか?

X線等の外部検査会社はあるが、最終責任者は、製造者である。

スタッフの目視と触診(釘を指で強く押す)が、すべて。
2人体制で行い見逃しは、許されない。

チェック担当者は明確にしているが、最終責任は、会社が負う。
最後は、「スタッフを信じる」

仕上げは釘の確認後、中敷き貼りから始まる。




足入れ確認とは、履き口のフィット感とかかとのくい付き。

4人の女性スタッフが、同じ場所、時間でチェックする。
問題があれば、すぐに原因確認、改善する。

靴の履き心地を決める底付けの各工程担当者を
可視化しているので、できるのだ。

仕上げは、糊とり、小皺伸ばしの熱風、コテと進む。




最近は、アンチック(こがし色の濃淡模様)仕上げが、人気だ。

主に爪先とかかとの表面を綿バフで、焦がしワックスを浸透させる。

1分間に1000回転以上する綿バフの摩擦熱、蝋と革とのコラボで、なせる技だ。

箱入れ手前で、革キズを「生きてきた証(天然の風合い)」か
「不良」かの最終判断。

「これは、アウトや」

また一から作り直し。革靴には、つきものだ。

仕上げは、箱入れで終了。













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