2020年06月27日
製甲へのこだわりを話そう。
秘密は、足を包む縫製(アッパー)の裏側にある。
製甲工程がシンプルか複雑かの違いだ。
完成品での裏側の確認は、難しい。
外観でも判断できることがある。
履き口(口まわり)のミシン目が見えるのか?
見えない→スキルを要する無双縫製
革の裁断面が、見える?
見えない→ ぶち切り(見える)以上に工程をかけている。
革靴の製甲は、とにかく手間暇がかかる。
折り代の革漉き、糊ぬり、テープ゚貼り、補強芯入れ、
折り込み、貼り合わせ、ハンマーでたたくなどなど。
繊細な作業の指先をご覧あれ。
裏材のはみ出た部分を縫った糸を切らないように市切り。
裏材のミシンかけ。
本革(表革)と裏材を重ねてのミシンかけ。
革は、穴が開く。やり直しがきかない。
革靴の製甲は、大量生産のパーツの組み合わせではない。
微調整をしながら作品を仕上げる「彫刻を彫る」に近い。